「台風からのプレゼント」
皆さま、こんにちは!
華のゆんたくさんぽ第19回目は
「台風からのプレゼント」をお届けします。
沖縄に舞い戻り、ひと仕事。
ラジオの1周年放送を名護のスタジオから生放送をおえ、やんばるに移り、月末に書いていた原稿をブラッシュアップし、提出しようとしていた最中、
沖縄本島に台風6号(カーヌン)が近づいてきました。
私の沖縄での台風直撃経験は初めて。
一体、どうなる事かなと思いつつも
その時その時で対応していくしかないと、
やんばるでの仕事を終えて、一旦、中部に戻ってきました。
せっかくの台風避けなら、行ってみたかった場所に泊まってみようと中城村にあるEMウェルネス暮らしの発酵リゾートに滞在しました。
スパ、EMカプセル、発酵料理と、
自社農地から育てた野菜や自社養蜂でできた蜂蜜、美味しい牛乳など、
心から堪能しましたが、
深夜から翌朝にかけて通過していった台風6号の威力には驚きを隠せませんでした。
幸いにも、厚い窓ガラス、行き届いたサービスに、轟轟となる風の音から怖い思いはしたものの、
足留めになった3日間、ほっとできる居心地のよい時間を過ごせました。
また、停電地域でしたが、ホテルさんの自家発電には救われました。
ろうそくの灯りで過ごすのは、私にとっては日常でもあるので、特別なものではありませんが、
災害時にそれしかないとつけたろうそくの火の扱いが悪く、家が燃えて亡くなってしまう方もいらしたので、
平時ではない状況において、どれだけ日々の暮らしがライフラインの豊かさに支えられているかと感じた3日間でもありました。
地元の方々で避難してきた方もいらっしゃったり、それぞれに身を守る行動をしっかりしていて、
沖縄の方々の台風への付き合い方、備え方には島の自然への理解を感じるものでありました。
「備えあれば、憂いなし。」
当初の予測以上に強力な台風に発達した台風6号、各地でこれから巻き起こる台風被害を考えると、みなさんには本当に備えていただきたいと経験した今、強く思います。
台風ができるメカニズムの中で、私たち人間にとっては不都合な事と捉えたとしても、自然界の中では必要だから起こっている事もあります。
例えば、さんご。
台風により、海の中が掻き回されることで海水温が下がり、さんごの白化現象を食い止める作用になります。
沖縄の砂浜を歩くと、あまりに多いさんごが打ち上がった様子に近年は海の中の世界を思い、心が痛みます。
また、コロナにより一度停止した時にはあれだけ美しく蘇った自然も、人間の過剰な活動により、この夏は各地で体温を越える猛暑が続き、
そろそろ気候変動に関心のなかった方々も、おや?何かがおかしいぞと気づき始める段階なようにも思います。
そんな台風の日に出会ったのは
養蜂家のハニーさんこと船橋康貴さん。
現在は蜂に刺されすぎた事によるアナフィラキシーショックからドクターストップがかかっており、養蜂家を辞めざるを得なくなり、八ヶ岳から沖縄に移住されてきたところでした。
共通の友人や、体験の合致にすっかり意気投合した私、
船橋さんのEMさんでの社員教育の講義を同席させて頂き、素晴らしいお話を伺いました。
「暮らしの中にすべてがある」
暮という字の中には朝日が昇り、沈むまでの自然界の様子が詰まっています。
環境コンサルタントから転身し、養蜂家として蜂と過ごす時間の中で、
この「暮」という字が現す「暮らし」を大切に過ごすことが自然界のリズムに沿って、真に生きることに繋がると気づかれた船橋さんのお話には共感の嵐しかなく、
お話を聞かれたあとのスタッフの皆さまとの質疑応答も素晴らしいやり取りの連続で、
前回のコラムにも書いた
「Make a little space, Make a better place」 の世界を感じる事ができました。
また、私に大きな影響を与えた
西表島の染織家石垣昭子さんにも
「暮らしの中に、手仕事にすべてがあるのよ。」とお話頂いた事も思い出され、胸が熱くなりました。
思いがけない台風での足留めの時間に、
自然への愛に満ちた御仁と知り合う事ができ、台風からのささやかなプレゼントに嬉しくなった時間でした。
停電が長く続き、携帯も思うように繋がらなかったりし、避難所にいた友人、
沖縄の農家の友人達の台風被害の後始末など、憂うべき事もあったのですが、
しっかりエネルギーチャージできた元気な人が手助けし、助け合っていけばいいのだと、前向きな思いを抱きました。
この後、東京に戻り、またカーヌンに再会する時、今度はどんな事を感じるのでしょうか。
そんな7月の終わりの時間でした。
皆さま、どうぞお気をつけて!