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「如竹と踊れば。」
みなさん、こんにちは!
コラム「華のゆんたくさんぽ」
第4回は
「如竹と踊れば。」をお届けします。
沖縄から世界自然遺産・屋久島に舞台を移して、とある人物のことを。
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皆さんは、泊如竹(とまりじょちく)という人を知っていますか?
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「泊如竹は
1570~1655(元亀元~明暦元・5.25)
屋久島安房村出身の儒学者。
僧名は「養善院日章」
儒学者の南浦文之の門下生。
薩摩藩主の島津光久の侍読をし、
1632年には琉球王朝の尚豊王の侍講をつとめ、文之点による漢文の読方を琉球に広めた。」
という人物です。
また別名は「屋久聖人」と言われ、
如竹は屋久島の島民の生活向上の為に
屋久杉を切ることを指示したひとでもあります。
現在では、世界自然遺産となり、
屋久島の屋久杉(注:屋久杉とは、樹齢1000年以上のものを指す。)を切ることはできなくなりましたが、
今日はこの泊如竹という人物のお話を少しばかり。
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世界自然遺産屋久島のフィールドワークの為、
昨春、屋久島に初めて渡った私の一番の関心事は、
屋久杉ではなく、なんとこの泊如竹という人物を知ったことでした。
(如竹の人物像がとても面白く、夢中になって
屋久島自然館に2時間もいたのはご愛嬌。)
この、如竹の足跡は、
興味を持って頂いた皆さまにそれぞれお調べ頂くとして、
私が最も気になったエピソードはこちら。
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-杉を切ったら祟りにあうと恐れていた島民を背に森に篭り、1週間後、仏様の啓示を受けたと里に降りてきた如竹は「これから、木を切る前には必ず、前日に切ろうとしている木の根元に斧を立てなさい。そうして、次の日に斧が倒れていた木だけを切る事にしなさい。」と話した。-
そう、如竹は、島民に対して一芝居打ったわけです。
木に神が宿るという日本人の八百万の神への畏怖心を逆手にとって。
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如竹は貧しい生まれで、早くから島の集落の一つ安房の小さな子ども達の面倒を見ていて、お兄さんのような存在でした。
また、学があった為に、京都に渡り、禅宗を学び、
一時屋久島に戻った後は、琉球国に仕え、
さらに島津藩に仕え、と再び如竹が屋久島に戻ってきたのは77歳の時。
様々な知恵をつけて帰ってきた如竹は、貧困にあえぐ島民を見ていられなかったのでしょう。
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自然保護の観点からいえば、如竹が杉を切る命令を出した事で、屋久島の後に世界自然遺産となる天然の長寿の木は減ってしまいました。
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また、この如竹という人は琉球王国の尚豊王に仕えましたが、尚豊王側から見れば、薩摩藩に王の称号を奪われた時代に関わっている人物でもあります。
このように、如竹は85歳まで長生きし、様々な場所で知見を発揮していったのです。
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さて、片側から見たら正義、もう片側から見たら悪という二元論で様々な事を捉えると、どうしても対立が生まれてしまいます。
正義というのは、なんでしょう?
また悪というものは、なんでしょう?
私は正義とは、その人の持つ愛の現れではないかと時々思うのです。
だから、本当はどうしてそうなったのか?と対話し、理解していく事が一番大切なことだと思っています。
また、見る側によっても真逆であったりするという事がよくあるということも。
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現代では、ロシアとウクライナの戦争が長引いています。
戦争という二度と起こしてはならない事を始めた側に非はありますが、情報戦にもなり、混乱をきたしています。
この後の世界に大きな影響のある分岐点。
是が非でも、対話で解決できる21世紀であって欲しいと思っています。
さて、如竹が天から見たら、今の時代にどんなアドバイスをするでしょうかね?
「如竹踊り」でも共に踊りながら、聞いてみたいものです。
それでは、また。