「いつか聞いてみたい声」

皆さん、こんにちは!

第11回となりました、華のゆんたくさんぽは

「いつか聞いてみたい声」をお届けします。

森羅万象の音を聴く。

これほど贅沢な事はないのではないかと、よく考えます。

12月に行われる影絵芝居「鯨生〜Geio〜」に参加する事が決まった時、

そういえば、まだ私はクジラの歌声を聞いていないなとふと思いました。

自然界の音では、いつか目の前で聞きたい音のひとつがクジラの歌声です。

身体中にその音からなる波動を浴びるような状態になるそう。

その時、どんな気持ちになるのでしょう。

聴覚に依存する海の中では、彼らクジラの音は大切なコミュニケーションのひとつでもあります。

こんな話も。

世界に生存する海洋哺乳類の25%が生息するポリネシアのモーレア島では、

7月に南極から出産と子育ての為にザトウクジラが湾に戻ってきます。

すると、山々の木が一斉に花を咲かせるそう。

それを合図に、島の人々はクジラが帰ってきた事を知るという。

「クジラは海、大地、山、木々や生物、自然と繋がっているからだ」と彼らは語ります。

私たちも、繋がることはできる

そっと、これら、自然界の音に耳を傾けることさえできれば。

人間が使う言葉も音から成り立つ。

音の重なりが変化して、言葉として意味をもってきたから。

ユネスコ消滅危機言語として挙げられる

与那国語と台湾語。

影絵芝居「鯨生〜Geio〜」の公演では、

それらの言葉を次の世代に伝えたいという想いも込められています。

その言葉を喋るひとがいる

その言葉を聞いて育ったひとがいる

だから、なくなってほしくない。

とてもシンプルな話なのです。

古い言葉は時代遅れと言われても

それぞれのひとがその言葉に対して持つ

記憶は何にも変えがたいのです。

だから、使う、使い続ける、聞く、残す。

ザトウクジラの歌声には流行があるそうです。

それぞれ異なるテリトリーに生息する

雄クジラたちが、

繁殖などの目的で頻繁に出会って

互いの歌を披露し、アイデアを交換し合っていると示す論文も近年発表されました。

地球の反対側で、昨年のフレーズが流行ることもあるそう。

「お!それいいねぇ、カッコいいね」なんてノリなのでしょうか…⁈

クジラ達の伝播力は求愛の時に歌う、

その伝えたい想いの強さが成すのでしょうか。

クジラの言語について、海洋生物学者デビッド・グルーバー氏の言葉を引用します。

「目的は、わたしたちがクジラに話しかけることではありません。クジラが自分たちの環境において、自分たちの思い通りに話している言葉に耳を傾けることです。それが、わたしたちが大切にしている考え方です」

それぞれの文化やアイデンティティを尊重すること、クジラだけでなく、私たちも大切にしたい考え方と思うのです。

あなたが聞いてみたい声はどんな声ですか?

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【出演情報・公演案内】

与那国町・台湾花蓮市姉妹都市締結 40 周年タイアップ事業

影絵芝居『鯨生~Geio~』

 作・演出:リン・モンホワン(林孟寰)

台湾の花蓮の街の海辺で一人のお婆さんが歌を歌っています。 お婆さんの名前は「鯨生」といい、与那国島のお父さんと台湾のお母さんの間に生まれて、 ずっと花蓮の街で暮らしてきました。 お婆さんは静かに自分が子どもだった頃の記憶を語りはじめます。 「あたしがお腹のなかにいる時に、母さんは夢を見たの。 それは海底遺跡の竜宮の夢だった」

美しい影絵と生演奏の音楽で彩る、おとぎ話のような鯨生の物語。今を生きる私たちにとっ て大切なことが込められた珠玉の作品。

◇若葉町ウォーフ 

12月20日 15:00 / 19:00 (台湾語版)

https://t.co/jthUocyLz4

◇横浜人形の家4F あかいくつ劇場 

12月23日(金)19:00(日本語版)

12月24日(土)11:00(日本語版)/

15:00 (与那国語版・日本語字幕付)アフターイベント「ハララルデ〜与那国を歩く〜」上映

12月25日(日)11:00 (与那国語版・日本語字幕付)/ 15:00(日本語版)

チケットのご予約はこちらから

https://www.quartet-online.net/ticket/geio-yokohama-2?m=0vcefih

「鯨生〜Geio〜」プロジェクトはクラウドファンディングもしています。

「消滅危機言語 与那国語を未来へ繋げる架け橋のプロジェクト」です。

ぜひ応援のお気持ちや情報拡散など、お力添えを宜しくお願い致します🐋✨

https://readyfor.jp/projects/ajianohone2022