天晴れ!国頭サバクイ!

皆さま、晩秋の日々、いかがお過ごしでしょうか?

華のゆんたくさんぽ第10回目は

「天晴れ!国頭サバクイ!」をお届けします。

皆さんの心を勇気づけるような、

働いている時に、頭に流れる、つい口ずさむ、そんな歌はありますか?

今は色々なジャンルの歌がありますが、

今回は少し昔のそんな労働歌のお話をお届けします。

この原稿を書いている今日、沖縄では、令和首里城復興イベントとして、「木挽式(こびきしき)」が行われました。

皆さんも記憶に新しいと思いますが…

首里城は令和元年10月31日に、正殿内部から発生した火災により、正殿をはじめする9施設が焼失してしまいました。

そんな、沖縄のシンボルでもある首里城の復興に向けて、現在、その新たな歩みが発信されています。

琉球王国の時代より、首里城造営・修復に際し行われてきた祭事がこの「木曳式 」です。

令和の「木曳式」は、2022年の着工、2026年の完成を目指す正殿の復元工事に関連しています。

今回は、やんばるの森から調達したオキナワウラジロガシをお披露目するということで、

その出発式では奥間集落の伝統芸能「国頭(くんじゃん)サバクイ」が披露されました。

この国頭サバクイは、沖縄本島では珍しい労働歌として有名な歌です。

「与那覇岳、長尾山一帯から伐り出された伐木は、比地川、奧間川を下り鏡地原の浜から海を渡り泊の港へ陸あげされ首里へと運ばれた。

途中村から村へ人々がリレー式に伐木を曵いて運んだりもしたと言う。

その木遣りを歌ったのが「国頭さばくい」でこの木遣り歌は大勢で掛け声をかけ合い音頭を取りながら心をひとつにして歌われた。」と国頭サバクイを紹介する石碑に書いてあります。

国頭サバクイの歌をもとに多良間島など、沖縄各地で替え歌が生まれていった、そんな話もあります。

現代の仕事環境では、皆さん中々考えられないような話かも知れませんね。

私が国頭村に滞在していた時に、国頭サバクイ保存会の方々の練習風景や国頭サバクイについての熱い想いを見聞きしていたので、

今回の「木挽式」の中継では感慨深いものがありました。

伝統的な歌が消えつつある今の時代だからこそ、こうした形を残していくのは大切だといつも感じます。

歌はこころ。

昔から想いを詠んだり、伝えたり

ひとは言葉で伝えきれないものを音に乗せてきたのでしょう。

その心も一緒に乗せ、令和の首里城正殿への新たな道のりの祈りへとした「国頭サバクイ」に心震わせたひとときでした。

儀式の途中に差し込んできた太陽の光がまさに、

天晴れ!国頭サバクイ!と言っているようなそんな気がしました。

素晴らしい門出の正殿復興のこれからが楽しみです。

観光で人気のある沖縄ですが、

こうした素晴らしい沖縄文化もとりどりにあり、

またさらに様々な方に知られていくといいなと感じます。

知るは楽しや!

それでは、皆さま、また来月までご機嫌麗しく!