「ケロケロ危機」

みなさん、こんにちは!

夏越の大祓も近づき、梅雨の最中、少しずつ初夏の気配を感じる今日この頃。

いかがお過ごしでしょうか?

第6回のコラム「ケロケロ危機」をお届けします。

「雨の儀式」

ランドセルを背負って、

カエルを捕まえている少年がいます。

さて、なぜこの少年はカエルを捕まえているのでしょうか?

彼の住む東北地方には古くからの言い伝えがあります。

「カエルを捕まえて潰すと次の日は雨が降る。」

明日は運動会、彼は運動音痴なのです。

雨が降って運動会が中止になったら

嬉しい!という少年の気持ち、わからなくはないですが…

昆虫危機

さて、カエルの話を聞いてある事を思い出した私。

地球上の昆虫は、毎年、現在の総数から1~2パーセントずつ、その量を減らしていると言われています。

特に深刻な地域では、今後20年間で昆虫全体の3分の1が失われる恐れがあると警告されています。

皆さんはご存知でしたか?

森林の消失、気候変動、外来種、農業の工業化、そして光害まで、あらゆる脅威が昆虫たちには迫っています。

地球上に1000万種はいると言われる昆虫の世界を脅かしているのです。

虫が嫌いというひとには嬉しいことかもしれませんが、

この地球はそう簡単には出来ていません。

すべての物事は繋がって動いているのです。

「昆虫がいなくなれば食料もなくなり、人間も暮らせなくなる。」

美しい花が咲くには受粉が必要です。

その花粉を媒介する昆虫たちは、他にも役割を持っており、

こういった働きを持つ昆虫たちの健全な数を維持することは、

私たちの食べ物を守ることにも繋がっています。

ミツバチなどは、私たちの食料となる作物の3分の1以上に授粉しているため、減少すると農業に影響を及ぼすおそれがあるからです。

近年よく知られている出来事は、殺虫剤のネオニコチノイドの問題です。

これらの使用が、ミツバチの世界的な減少の原因になったと言われています。

現在、皆さんの暮らすコンクリートで固められた場所では、

昆虫などはあまり見かけなくなったという実感を持つ方も多いかも知れませんね。

足もとの世界

森を歩き、気持ちの良い場所を見つけて寝転ぶと、

そこで目にする枯葉や雑草の隙間、

はたまた樹皮に潜む姿など、

生きる昆虫達の動きは小さな世界ですが、

限りある生命をまっとうしている美しさがあります。

彼らの働きが、私たちの住む地球を小さいながらも大きく支えていると思うと、無下には決して出来ないと感じます。

ぜひ、機会があれば、よーく見つめていただきたいものです。

犬や猫が可愛い、動物園の動物たちが好き!

という感覚を持てるのであれば、両生類や昆虫たちの愛らしい世界も、同じように興味を持てるのではないかなと感じます。

そういう私も、苦手はもちろんあり、

動物で言うと

鳥のくちばしに関しては

すこーし(いやかなり?)怖くは感じるのですが…!

ひとそれぞれの感覚の違いはあれど、

一つ視点を変えてみると

見ている世界の何もかもが変わって見えるかもしれません。

カエルはやっぱり潰したくはないなぁ…と思いながら、田植えの時に植えた稲の隙間をのびのびと泳いでいたカエルに想いを馳せて。

初夏の風物詩、カエルの合唱は、なんとも好きな音色です。

その豊かな音色をいつまでも楽しめる未来の為に、私たちは何から動いていきましょうか?

I have a frog in my throut…

(声が枯れてガラガラ…)とならない未来にしていきたいですね!

それでは、また来月!